ゆうまあまがお勧めする「行事のわらべうた」5選を紹介します。
行事といっても、そこに伝わる慣習や行事の唄で、一般の節分などの歌ではありません。だから、みなさんにとっては、馴染みのない唄ばかりだと思います。
この地域に伝わる行事のわらべうたが、趣きがあり、おもしろいんです。
① 「オイノコサンヲ」
一に 俵 踏まえて
二で にっこり笑うて
三で 酒 造って
四つ 世の中良いように
五つ いつもの如くなり
(※ 五徳=「仁・義・礼・智・信」の五徳にかけたともされ、また「温・良・恭・倹・譲」にも通じるという。)
六つ 無病息災に
七つ 何事ないように
八つ 屋敷を買い広げ
九つ こぐらを建て並べ
十で とっくり納まったぞ えんやえんやらえ
数え唄になっているし、途中、途中に合いの手が入って、おもしろいですよね。
亥の子(いのこ)は、旧暦10月(亥の月)の上の(上旬の、すなわち、 最初の)亥の日のこと、あるいは、その日に行われる年中行事です。 玄猪、亥の子の祝い、亥の子祭りとも言われます。
主に西日本で見られるそうで、行事の内容としては、亥の子餅を作って食べ 万病除去・子孫繁栄を祈る、子供たちが地区の家の前で地面を 搗(つ)いて回る、などがあります。
旧暦10月の亥の日の夕方から翌朝早朝にかけて、地区の子供たち が集まり一軒一軒を巡って、歌を歌いながら平たく丸いもしくは 球形の石に繋いだ縄を引き、石を上下させて地面を搗くそうです。
石の重さも1kg~10kg程度と地方により異なります。 地方によって歌の内容は異なりますが、亥の子のための歌が使用されます。 歌詞は縁起をかつぐ内容が多いのですが例外もあります。 子供たちが石を搗くとその家では、餅や菓子、小遣いなどを振舞います。 振る舞いの無い家では悪態をつく内容の歌を歌われることもあるそうです。
なんといっても、この合いの手が味わいのある、わらべうたです。
② 「さのやのいとざくら」と「ヨイサッサ」
京都ではこんな盆歌が歌われていたそうです。
赤で男紋を描いた白の弓張り提灯を竹竿にズラリと通し、 その両端を二人の男の子が担ぎ、他の男の子は拍子木で 囃しながらみんなで「よいさっさ」を歌って歩く。
女の子は白く女紋を染め抜いた紅提灯を持ち、 「さのやの糸桜」を歌っていたとのことです。
詳しくは、動画の概要欄にのせているので、興味のある方は見てください。
「よいさっさ」は、拍子をとりながら楽しく歌えて、最後には変顔をして、相手を笑わせる事もできるので、大好きなわらべうたです。
③ 「なるかならんか」
成木責め(なりきぜめ)という行事の唄です。
農耕中心の生活をしていたころの暦は旧暦でした。 これは月の満ち欠けで成立していました。 行事に15日が多いのは、満月のころということになります。
この行事は、1月15日、歳神さまに供えたお米で 小豆粥を炊き、それを鉈(なた)で傷つけた柿の木に 食わせて、その年の豊作を約束させた、おまじないだそうです。
「なります、なります」と、焦っているところがおもしろいですね。
お願いをするというより、脅しているとしか思えません。
④ 「ななくさなずな」
お正月に歌う、わらべうたです。
1月7日の朝に食べる、あの七草がゆに入れる「ななくさ」ですね。
1年間、健康で過ごせますようにという願いが込められています。
前日の夜に、この唄を歌いながら、まな板の上に乗せた七草を包丁で刻み、当日の朝におかゆの中に入れるというのが、昔からの風習だそうです。
子どもと一緒に歌う時は、この動画のように振りをつけて歌ってみてね!
⑤ 「しょうがつせ」
これは、特定の行事ではなく、1年を通してのことを歌ったわらべうたという事で、紹介させてもらいました。
少し長いわらべうたですが、1年の出来事が全部、歌われているので、おもしろいです。
以上、ゆうまあまがお勧めする、「行事わらべうた」5選でした。
それぞれの地域に伝わる、行事のわらべうたは、どれも人々の願いを反映していますね。後世に受け継がれて欲しい、わらべうたです。