「こきりこのたけは」民謡

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【歌詞】

こきりこのたけは しちすんごぶじゃ 

ながいは そでのかなかいじゃ

まどのさんさも ででれこでん 

はれのさんさも ででれこでん

むかいの やまに なくひよどりは 

ないては さがり ないては あがり

あさ くさかりの めをばさます 

あさ くさかりの めをさます

むかいの やまに ひかるもんな なんじゃ?

ほしかほたるか こがねのむしか 

いまくる よめのたいまつならば

さしあげて ともしゃれ やさおとこ

まどのさんさも ででれこでん 

はれのさんさも ででれこでん

 

 

こきりこの竹は 七寸五分(しちすんごぶ)じゃ
長いは袖(そで)の かなかいじゃ
窓のサンサも デデレコデン 

ハレのサンサも デデレコデン

向いの山に 鳴く鵯(ひよどり)は
鳴いては下がり 鳴いては上がり
朝草刈りの 眼をさます 

朝草刈りの 眼をさます

向いの山に 光るもん何じゃ
星か蛍か 黄金(こがね)の虫か
今来る嫁の 松明(たいまつ)ならば
差し上げて点(とも)しゃれ 優男(やさおとこ)

窓のサンサも デデレコデン 

ハレのサンサも デデレコデン

 

【楽譜】



 

曲名にもある「こきりこ」とは、2本の竹を使った打楽器で、漢字では「筑子」または「小切子」などと表記されます。

中世にあっては、大道芸の一種で、主に曲芸をおこなった放下(ほうか)が常時携帯していた楽器であったことが知られています。

長さは歌詞にもあるように七寸五分(約23センチ)。

あんまり長いと着物の袖にひっかかって「かなかい(邪魔)」と なってしまいます。

「こきりこ」の名前の由来としては、飛鳥時代に発布された大化の 改新(たいかのかいしん)において、豊作祈願のために山伏 (やまぶし)が詠んだ「コケラ経」が訛ったとの説があるようです。

「コケラ経」は木片に書いたお経のことで、「こけら」とは木片を 意味します。

新築された劇場などで最初に行われる「こけら落し」の「こけら」も同様の意味だそうです。

 

 

こきりこ節は、「越の下草」や二十四輩順拝図絵「奇談北国巡杖記」 などの古文献にも記載されています。

(これら自体は1800年前後のものだが、それでも現存民謡を確認 できる文献として最古である、民謡の成立自体については遥かに 古い飛鳥時代説もある)日本の民謡の中でもっとも古い民謡とされ、古くから上梨(かみなし) 地区(旧 平村)にある白山宮の祭礼にて唄い継がれる五穀豊穣を祈り祝う大らかで素朴な民謡だそうです。